読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夢が夢で終わるその前に。

夢が夢で終わるその前に。


こんにちは @tokunoribenです。


今日は@chihiroism @akkitterと映画を見てお好み焼きを食べてきました。


見た映画はバーレスクです。






なんとなく付き合いで観に行て映画館で名前を知ったような映画だったのですが、


例年稀に見るきれいなアメリカンドリームを体現した実に感動と爽快感あふれる名作でした。各レビューサイトでの高評価でもうなずけます。


地方の寂れたバーでウェイトレスをおくっていた主人公アリは、スターを夢見て単身ロサンゼルスを目指します。


とはいえ、実績も経験もない彼女。


面接やオーディションを受けるもそうそう簡単には夢への道開けず、当てもなくさまよっていた中偶然立ち寄った、バーでもストリップクラブでもない大人のためのステージパフォーマンスを繰り広げるバー「バーレスク・ラウンジ」で往年の名スター、そしてバーレスクの女将でもあるテスのショーに感動し、飛び込み同然でウェイトレスとして働き始めます。


現実ならば冴えないウェイトレスとしてそれなりの人生を送るはずなのですが、そこは映画。


性悪な主役ダンサー・ニッキの嫌がらせを機にたまたま披露した彼女の歌がテスの目に止まり彼女はあれよあれよとスターダムの道を駆け上がっていきます。


そしてスターへの階段を駆け上がっていく彼女を複雑な思いで見守るルームメイト・バーテンダーのジャック。


アリに目をつけ引きぬきとお店買収を目論む大物エージェントマーカスの魔の手。


果たしてアリの運命やいかに? バーレスクの運命は?


と、有史以来ハリウッドで使い古された黄金律ともいうべきありふれたアメリカンドリームストーリーを、バーレスクならではの官能的かつ甘美的なショーとクリスティーナ・アギレラの歌唱力とダンスが観るものを一気に映画へと引き込みます。


これほどまで映画が終わったあとに拍手をしたくなる映画はないと思います。まさに一見の価値ありです。


ぜひ映画館の最高の音響施設で大迫力の「バーレスク・ショー」を楽しんでください。






とここまでだと普通の映画レビューブログなのですが、そこで終わらないのがこのブログ。





僕はこの映画を見たときに自分の中で沸々と決意ともなんとも言えない感情が沸き上がってくるのを感じました。



というのも話は先日元旦は妹と年明けうどんを食べに香川県までドライブがてら行ってきた時に遡ります。



香川からの帰り道、中国地方のとある幹線道路を走っていたときに、せっかくだし温泉にでも行きたいね、という話になり



道沿いから少し外れたところにあった温泉というほどの風情があるわけでもなく、かといってスーパー銭湯というには施設が老朽化しすぎた温泉複合施設をみつけたのでふらっと立ち寄ったのです。


元旦だというのに古びた温泉施設に似合わず、多くの人でごった返すその複合施設には、地元農家の野菜販売、マッサージ室、ゲームセンター、宴会会場に始まって果ては無料の大衆演劇と老朽化した施設に似合わずまさにこれでもかというほど様々なコンテンツが所狭しと用意されておりました。


きっとこの地方を代表する娯楽施設なのでしょう。しかしながら僕はその施設ではなく、そこの受付で懸命にキビキビと働く若い男女に目を奪われました。



中国地方の地方都市のハズレのハズレの名もなき街。


都会というには物足りず、かといって田舎というほどさびれてもおらず。


マクドナルドや吉野家やユニクロが幹線沿いに立ち並ぶどこにでもあるような同じような街。


そんな「日本のどこにでもある」街一番の賑わいスポット、温泉型娯楽施設の受付でせっせとジジババの受付対応に勤しむ自分と同じ年頃の若い男女たちを見て、何だか胸から込み上げてくる物があったのです。



彼ら、彼女らの幸せとはなんなのでしょうか? この街の幸せとはなんなのでしょうか?


都会にでるほどの決意を沸き立たせないほどにはある快適さ、そして田舎として過ごすには物足りないほどの自然環境、。


そんなぬるま湯のような街で、あてもなく人生を削られていく毎日。


やがて年を取り自分も同じように、昼間はパチンコ台を回し、夜はこうして温泉施設でひとっ風呂、パチンコで勝った日にはマッサージでもオプションをつけて、シメはビールでギュッと。


そんなゴール像が容易に浮かび胸が締め付けられます。


もちろん家族、恋人、友人などかけがえのない大切なものはあると思います。


そんな大切なものを守ったり、つくっていくことはそれはそれは幸せな人生だと思います。


人生を通して楽しめる趣味だってあるでしょう。パチンコで時間を潰して一日の終わりは温泉なんて最高です。


きっと幸せな人生だと思います。


しかしながら、この街には「夢」がありません。


インターネットやテレビを通じて今起こりうる時代のうねりをどこか遠い国の話かのようにただただ眺めているしかないのです。


希望や願望を表す「夢」はこの街では、いつしか快適で幸せな安眠の代償と引換に得られる眠りの中への「夢」へと変わっていってしまうのです。



バーレスクの主人公アリは夢を追い求めるために、なけなしの金をはたいて寂れた田舎街をあとにします。


バスのチケット売り場のお姉さんに「往復ですか?」と聞かれたアリは一瞬考え込んだあと「片道で」と答えるのです。


切符は切符でも「片道」切符にはいつも何かしらのストーリーがあります。


ある者は愛を。ある者は友情を。そしてまたある者は夢を求めて片道切符を買うのです。



かつて僕もアリのように片道切符を買いました。


あれから4年。僕は人生の新たなステージを迎えました。


東京の綺羅びやかな夜景は今もまだ輝きを失わず僕の眼に写っています。

しかしながらその眼は少しずつ少しずつ閉じていってしまうのです。


まるで眠りに落ちて行くかのように。少しずつ少しずつ。



夢が夢で終わるその前に。



僕は最後の片道切符を買いました。



さようなら。広島の街。