プライベートに自宅はいらない。 〜ノヤドリビングのすすめ〜


友人が環境が変わり、新しく一人暮らしをするため住む家を探していましたのでいろいろ話していました。

僕も地方から上京した身なので、都心の住宅環境というのは身近で悩ましいテーマだったりします。

そしてその度に学生時代からずっと思っていて当時のブログにも書いた事があるテーマがあります。

それは、

「家って本当に必要??」

という事です。

「いやいや、何言ってるんだコイツ。頭おかしいだろww」というと思います。

しかし、我々はついこの間までの非常識が、明日には常識になるような時代に生きています。

例えばビジネスにおいては、昔はウェブサービスをやろうにも自社でサーバー環境を用意したりと、莫大な負担がかかりました。ところは今はクラウド技術の発展によりほんのわずか、それこそお小遣い程度のお金と手軽さで使いたい分だけ必要な機能をサクッと使うことができます。

また、クラウド環境の普及によりワークスタイル環境も大きく変わりつつあります。かつては長時間満員電車に揺られて会社に行かなければ何一つできなかった作業も、今やモバイルネットワークがあまたに普及したおかげで、タブレットやノートパソコンさえあればそれこそカフェで会社と同じように仕事をすることができてしまいます。また、仕事そのもクラウドソーシングと呼ばれるような仕組みの登場により、正社員といった雇用の体系そのものすら揺らぎつつあります。

「仕事にオフィスはいらない。」
そのような斬新な言葉とともに生まれたワークスタイルは「遊牧民」の名から取って、「ノマド」と定義され、世はまさに大ノマド時代へと突入しました。

仕事するのにオフィスはいらない?ノマドワーキングのすすめ? 光文社新書

仕事するのにオフィスはいらない?ノマドワーキングのすすめ? 光文社新書


ただ、会社をつくった立場として思うのは、毎日オフィスがコロコロ変わるというのは結構苦しいです。
メンバーに明日は、○○駅前のスタバで!席とっといてね!と毎日やるわけには行きません。また、お客さんと打ち合わせや会議するときも困ります。大多数のノマド的な人たちが結局はスタバじゃなくて、コワーキングオフィスと呼ばれるような、昔でいう共同オフィスに落ち着いたのもやむを得ない感じがします。僕はどんな環境であれオフィスはあった方がいいと思いました。

しかしまぁ、このような劇的な変化が今ビジネスの現場で起きているのに、いわんやプライベートの「自宅」をや。という感じです。

そして、今のこの状況をわかりやすくマトリクス分類するとこうなります。


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仕事にオフィスは「いる」×プライベートに自宅は「いらない」

この空白の領域、今、この新しいセグメントが世の中に必要とされています。

そこで、ここの新たな生き方を野宿という漢字から取って、ノヤドと定義したいと思います!

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そう、ノマドワーキングならぬ、ノヤドリビングです。

え?

「いやいや、なんかそれっぽいこと言ってるけど、全然説明になってないよね?? 家は必要でしょww」

ですって?

果たして本当にそうでしょうか?

考えても見てください。

都心でフツーののマンションに住もうと思ったら、家賃は10万円かそこら。光熱費やら、通信費、敷金礼金なども加味すると、月にトータルで10万弱〜12万円近くはかかるでしょう。

しかし、そのような家賃にも関わらず、あなたが家ですごす時間はどれくらいでしょうか?

働きざかりの人からすると、朝早く家を出て会社に行って、外食して帰ってくるのは深夜。そんな生活の人も多いと思います。実際にスタートアップと呼ばれる僕の環境だと、家に泊まることよりオフィスで泊まることがかなり多いです。

12万円を30日で割ったら1日約4000円です。特に何があるわけでもなく、家にかえってくるたびに毎日4000円払わないと家に入れないと考えてもみてください。本当にそれは安い買い物なのでしょうか? 僕はそうは思いません。


原点にたって考えてみましょう。そもそも家を構成する要素とは何か?

一日のタイムラインを考えてみると、私たちが「家」というものを考えたときに機能は次のように分類されると思います。

炊事
風呂
洗濯
収納
趣味
睡眠


なるほど、確かに「家」というものはこれら全ての機能を果たすことができます。

しかし、逆にこうも考えることもできるのではないでしょうか?家の要素は「クラウド化」できる、と。

それぞれ考えて行きましょう。

炊事

皆さんは料理をしますか? 僕は大学時代、はじめての一人暮らしに胸をときめかせて「いやーこれを機に料理テクとか身につけちゃおーかなーww!あ、というか、もしかするともしかして彼女が手料理つくりにきてくれちゃったりとかしてwww」と、キッチングッズを買い込んでみたものの、現実は残酷。
結局は、近所のオリジン弁当が僕のキッチンになりました。
というか、ものの数百円で、牛丼やら弁当やら何やらが24時間いつでも食える現在において、器具を用意して、献立をかい食材を買い出して、調理して、洗い物して、収納して、ゴミをすてて、さらには在庫リスクや栄養バランスの偏りなど一連の作業工数や拘束時間やリスクがあるにも関わらず、金銭的な数字だけを見て自炊は外食より安いとか言ってるのは、もはや発想自体が貧乏人そのものです。どうせ1ヶ月1万円生活とかありがたがってみてるんだろーなwwwって感じです。
全部外食で問題ないでしょう。時間と健康は金では買えません。

風呂

これはなかなか難しい問題です。清潔感が無くて得することはビジネスでもプライベートでもないでしょう。特に高温多湿な日本においては風呂に入らないというのは公害レベルで嫌われます。
ほらほら、風呂に入れないのはありえないだろ・・・ですって?

誰が風呂に入れないと言いました?

日本ではきちんと入れるんです。「銭湯」というクラウド化技術のおかげで。

そうです。古来より日本は「銭湯」という大変素晴らしいクラウド化の仕組みにより、わずか数百円かそこらで足を思いっきり伸ばせて掃除やメンテナンスの必要すらもない大浴場に入る事ができます。

というか、どうせ微々たるお賃金で住める日本のウサギ小屋の風呂なんてしょせん物理的にもカラスの行水レベルなんだから、そんなせっまい風呂入ってもかえってストレスたまるだけだと思うんですが。

だとしたら、テルマエロマエも流行ったことだし銭湯でも良いんじゃないでしょうか。大きなお風呂はマジでリラックスできます。

そんな都合よく銭湯なんてねーよ!という方、以外と盲点なのが、スポーツジムです。スポーツジムには、かなりの確立でスパ的な要素がついています。また、時間帯によっては思いのほか安い金額で使うことができます。風呂がないんじゃなくて、仕事初めや終わりに運動するついでにあびるシャワーやスパで風呂も満たされると考えたら、かえって得してる気がします。

洗濯

先ほどと同じように清潔感は大事なので、これもありえないだととお思いかもしれませんが、
日本ではコインランドリーというクラウド(ry
ちなみにスーツ類やワイシャツなんかもクラウドソーシングでクリーニング屋に(ry
というか、そもそも洗濯ってマジで超時間の無駄じゃないですか?
洗濯物を集める、洗剤を用意する、洗濯物を洗濯機に入れる、洗濯が終わるまで待つ、洗濯物を取り出す、天気を見計らって洗濯物を取り出して干す、乾くまで待つ、洗濯ものを取り込む、洗濯物をたたむ、洗濯物を収納する、
作業工程が多すぎてマジでイライラします。21世紀にもなっていつまでこんなことやってんだ人類はって感じです。
もはや発想自体が貧困そのものです。どうせ1ヶ月1万円生活とかありがたがってみて(ry

そこで、こんな方法はどうでしょう?まだ実現はできてませんが、究極のライフハックとして僕が思いついたのは「使い捨て」です。
ブルジョアジーの皆様はご存知ないかもしれませんが、最近は100均やら100円ローソンやらで下着類なんかは100円で買えたりします。1ヶ月毎日使い捨てても月3000円かそこらです。これだけ見るとあれですが、洗濯、収納、その他諸々の工数から解放されて、清潔感も維持できるなら結構ペイするんじゃないでしょうか。どうせほとんど毎日スーツでこっちはクリーニングだし。え?エコ?? たかだか一介の個人の消費量なんてたかが知れてるので、買っても買わなくてもメーカーの生産数や出荷数は変わらないと思うんですけど。

収納

これは、もう思い切って断捨離です。だいたい家にあるものの大半が必要ないです。
というかどうせ家でスマフォとPCいじってるだけなんだし両方あれば他に特にいらないでしょ。「俺最近テレビ全然みてないわーwww ほんとみてないわーww」みたいなマスコミ見てないアピールにも箔がつくだろうし。
本なんかも全部電子書籍化してしまえば本棚も必要ありません。
どうしても保管するものがあるなら貸し倉庫やあるいは段ボールごと月数百円で保管できる、クラウド倉庫的なものもあります。もはや収納スペースすらクラウド化できてしまう時代です。

minikura|月額200円の収納スペースminikura

衣類なんかは先述の風呂の項と会わせてジムのロッカーなんかを活用することでカバーできそうな気がします。

趣味

趣味と書きましたが、まぁ趣味は人それぞれなので、共通項、端的にいうと要は性欲周りですね。
これはさすがにプライベート要素必要だろ・・・・

いいえ、クラウド化(ry!

例えばあなたが、ツーマンセルを得意とするユーザーの場合。

日本には由来は江戸時代の出会い茶屋からにさかのぼる、ラブホテルという大変素晴らしい江戸しぐさな文化があります。

使いたいときに使いたい分だけ。そうラブホならね。という大変便利なサービスですね。様々なオプションが選べるのもクラウド環境の魅力的な要素です。

なお、大学時代の経験からして、オンプレミスな環境を維持するには大変な投資とコストが必要で費用対効果が(ry


また、ソロプレイオンリーという方は、最近は都心では個室ビデオ屋というものが大変流行っております。
こちらもスペースから、おかずまで全てクラウド環境で用意されており、ものの数百円かそこらで環境構築ができるともっぱらの評判でございます。
ということで、もはや性欲処理すらクラウド化可能です。

睡眠

これは難しいですね。人間の三大欲求である以上、どうしても外せないですし、結構個人差があるので。一概に言えません。
人によっては、絶対ベッドがないと寝れないとか、ネットカフェでもイケルみたいな人いるでしょうし。
また、1日の終わりが睡眠で終わることを考えるとここは次の日に影響がでるような本末転倒は避けたいところです。
ノヤドの上位層である、世に言う出張族なんかはこの辺りはホテルできっちり抑えてきますね。羨ましいかぎりです。

ちなみに立って半畳 寝て一畳とありますが、実際に一畳でなんとかなってることが判明してしまったので、とりあえず寝れたらいいんじゃないでしょうか。

さてさて、こうやって振り返ってみると、思いの他、ノヤドという選択肢も非現実ではないことがお分かりいただけかと思います。


ノマドも皆が皆カフェを渡り歩いているわけではないように、ノヤドも必ずしも自宅そのものを無くす必要はないと思います。
自分のライフスタイルに合わせて、クリティカルな部分はオンプレミス環境を用意して、特に気にならないところはクラウド化したりで生きて行けばいいんだと思います。

大事なのは今までの固定観念に縛られない、ということです。

特に、人間の悩み事の8割は住む場所が固定されていることから生じるものと言われています。

そういうときに、家をクラウド化すると何も縛られるものがなくなります。あ、そう。じゃあ引っ越すわ。みたいな感じで結構手軽に選択肢を増やす事ができます。

ぼくは、結構そういう生活ができてしまうことがわかってしまったので、もしお金持ちになったとしても、あんまり自分で家を持つ必要を感じないなぁと思ってます。

自分はかなり固定費を抑えた生活をして物件は投資用マンションとかにしたりとかの方が生きやすいんじゃないでしょうか。

ま、そもそもその前に職業柄仕事にオフィスもプライベートに自宅もなくなる可能性もあるわけなんですが。


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