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ワタミって率直にむちゃくちゃすごいと思って尊敬してしまった。

起業論 炎上論 貧困論

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最近、ブラック企業(としてもっぱらネット上で話題になりがちな)ワタミが都道府県に求人を最低賃金で募集していたというニュースが話題になっていた。

「ワタミグループの居酒屋の募集時給について、47都道府県の店舗の調査結果を提示。このうち、13都道府県の店舗で募集時給が最低賃金と同額」というやつである。

僕はこのニュースを見て、率直に47都道府県で雇用をつくってるワタミって率直にむちゃくちゃすごいと思って尊敬してしまった。

セブンイレブンですら42都道府県にしかないのである。



世の中には人を雇用する立場の人間よりも雇用される側の立場の方が圧倒的に多いので、どうしても雇用される立場にたっての声が目立ちやすいのだが、

そもそも人にお金を「稼がせてあげる」という仕組みをつくるのはとてもむずかしいと思う。

この国のすごいところは、一流大学の新卒であっても、どんなスキルも能力もない人間であっても1ヶ月働けば日本全国どこでも同じ月20万弱くらいがもらえるということである。

見方によっては、一流大学卒の人間が月20万で雇用できる、と見れるかもしれないし、どんなできが悪い人間にも20万円は絶対に払わないといけない、といえるかもしれない。

でもその同じ20万弱のお金のお陰で、人はお金に困って通り魔にならなくて済むし、世界が羨む文明的な生活をすることができる。

ワタミグループはそういう意味でいうと、47都道府県津々浦々、様々な人間に稼がせてあげることのできる稀有な企業だと思う。

「稼がせてあげる」という表現をすると、「自分たちが汗水たらして働いてるおかげで儲かってるくせに何様のつもりだ!」という声も散見されそうだが、そう思うのなら自分でやってみるといいと思う。


例えば小さな飲食事業をやろうとしても、店舗の場所代やら内装やら、広告やら材料費やら人件費やら運転資金で、1000万の開業資金が欲しいだろう。もちろん、このお金を用意したところで確実に成功するなんて保証はどこにもない。

1000万ものお金となれば、なかなか自分一人で用意するのは大変だ。

借り入れともなれば、取締役は会社の債務の責任は取らない、なんて会社法に書いているが、まずは代表取締役が個人で連帯保証をするのが常である。また、ユッケの食中毒問題のように、何か経営責任を問われる問題が発生したときに責任を取るのもこの人である。

従業員は割にあわないと思ったら辞めたら終わりである。

飲食事業は誰でも収益構造がわかりやすいシンプルなモデルだけれど、そうでない別の事業をやる場合にしても、まず何をしたら儲かるか、というのを探してくるのが難しい。

なぜなら、本当に儲かるってわかってるんだったらすでに同じことをやっている人がいるわけだし、ビジネスというのは本質的には同じことをする競合が少なければ少ないほど儲かるようなるようになっている。

どんなビジネス書にも「経営者はこうであれ!」とか「やればできる!」とかいうことが書いてあるにせよ、「ここに書いてあるのとまったく同じことをしたらあなたも私と同じように儲かりまんがな!」みたいなことは書いてないし、あるとしたらそんな話は基本的に詐欺の類である。

だからこそビジネスというのはまだ誰もが目をつけてなかったときに最初にリスクをとった人間は、成功すればとても儲かるようになっているし、これは儲かるとわかってからやり始めた人間はさほど儲からない、あるい何かは新たな付加価値をつけないと儲けるのが難しいようになっている。


もちろん中には、そんなの簡単じゃん、仕事や儲かることなんていくらでもあるよ。なんていう人もいるかも知れないが、それだって結局その人のネットワークや信頼関係といった人的リソースの上に成り立ってるわけで、他の人が同じことをできるか、というと再現するのは難しいと思う。

会社にいると「儲かる仕組みを見つけてくる」ところに関しては、あまり意識されることはない。

そもそも仕組みがすでに見つかってるから、報酬と対価となる仕事が発生して、そこに雇われているわけで意識されないのは当たり前である。


このブログを書いている僕は、プロフにもある通り、スタートアップ起業家と呼ばれる人種である。

スタートアップというのが何かについては、こちらの記事を参照してほしい。

どんなに頑張っても自分の給料がゼロでがんばらないといけないことだってあるし、あるいは下手するとマイナスになることだってあるという人種である。そして、そんな生活がいつ終わるのかもわからない。

でも、その代わりうまくいけば、それこそサラリーマンが生涯をかけても稼げない額を稼ぐ、そういう博打打ちみたいな職業である。

価値観的には完全に常軌を逸している世界だと思うし、結構自分は頭おかしいんじゃないかって思うこともある。

だからこそ思うのが雇用をつくるというのはとても尊いと思う。

というのも、大多数の人は継続する安定した雇用がないと人生をつくれないからである。

今月はゼロです。来月もゼロです。うまくいけば再来月は多分100万もらえるかもです。あ、でもその次の月は−20万補填してください。そこから先はちょっとどうなるかわかんないですね。でもうまくいけばもっと稼げますよ。

みたいなことが続くことを考えて欲しい。

これで人生設計できる人がいるだろうか? 結婚して子供をつくって、ローンして家や車を買ってという人生生活のほとんどが欠落すると思う。

基本的に毎月必ず一定の給料がもらえるというコミットメントがあって初めて多くの人の人生は成り立つ。というか社会はそれを前提に動いてる。

だから今の僕はこの社会ではクレジットカードも作ることも難しい。

僕は、たまたまふつーの価値観じゃ物足りなくて、そういうリスクを許容しているのと、そして今が若くて健康で運がよいから、こんな無茶なことができるわけである。


だから、雇用を作る、自らがリスクをとって事業を立ち上げ、たくさんの人が社会的な生活を営むことができる仕組みをつくってあげるというのは、僕はメチャクチャ尊敬するし、どうしたらこの日本で47都道府県どうやったらあますことなく全国に雇用をつくれるのか検討もつかない。

僕は人にも稼がせてあげることのできない、なんてダメな企業家なんだろうと苦しいきもちでいっぱいだ。

だからこそワタミグループで働く6000人以上の「雇用」を生むという点において、ワタミは一点の曇りもない素晴らしい企業だと思う。



え?労働基準法ガー 最低賃金ガー だって?


毎回そういうのがでるたびいつも疑問に思うんだけど、

そもそも法律を守れ、というのなら日本には憲法で職業選択の自由があるって決まってるんだから、まず考えるべきなのは他の仕事を選ぶということだと思う。問題は賃金が高い低いの問題ではなくて流動性の問題じゃないか?



それとも何か、ブラック企業だともっぱらのワタミでそれでも働くひとたちは借金の形に娘でも人質に取られてるの??

それとも代々ワタミで働かないと行けないことが定められた家系か何かなん? 

この21世紀の日本で?

違うでしょ。自分の意思でそれを選んでるわけでしょ。

自分が意思と反して強制的に望まない労働を強いられてるのが奴隷なんだとしたら、自分の意思でそういう労働を選択しているんだとしたらもはやそれは奴隷未満の何か、奴隷解放宣言をしたリンカーンも鼻で笑うレベルの畜生になってしまうけど、違うでしょ?

自分の意思でそこで働くって決めてるんでしょ。

ワタミはブラックなんてみんなバカにしてるけれど、それはワタミグループで誇りを持って働き、そこで生計を立てている6000人以上の人たち、あるいはそれらのサービスの恩恵をうける顧客をも侮辱するめちゃくちゃ失礼なことだと思う。

ワタミがブラックだなんて、何の権利があって、そういうことを馬鹿にして言える立場なんだろう。


え? 洗脳ガー だって?


僕は思うのだけど、自分の働く仕事に過剰な夢や希望と責任感を持って働くことってそんなに醜いことなんだろうか。

あるいはそれが醜いということなんだったとしたら、


「ぶっちゃけ飲食なんて深夜まで酔っぱらいの相手やゲロ掃除して、安い給料で何のスキルも身につかない上に生活リズムも最悪でそんな仕事よくやってますよねwwwやめた方がいいっすよwww」

「ってか介護ってやっすい給料でジジババのウンコ拭いてるだけで何の未来もないのによくクソマジメにやってますよねそんな仕事wwwなんでやってるんすかwww」


って真実を指摘することが褒められるべき正しいことってことなんだろうか? 

確かに一面は真実なのかもしれないけどとっても残酷じゃん。

だとしたら、例え今が厳しくても、頑張れば自分も一国一城の主になれるかもって思って働いたり、辛い仕事でもありがとう、って感謝してもらえることに喜びを感じた方がずっと人生に毎日が充実すると思う。


それに、ワタミがブラック企業だというのならワタミはサービス業でありBtoCのサービスである。

そこで働く従業員が対価に見合わない過酷な労働でかわいそうだというのなら、顧客である自分たちが彼らに対して直接気持ちばかりのチップなり何なりを渡してあげればおおいに彼の環境改善の助けになるんじゃないのか? そういうプラスアルファな粋な計らいが経済面でも精神面でも彼らの生活環境を変えるきっかけになるかもしれないんじゃないのか?


でも、残念なことにそういう意見や発想は「ゼロ」だった。




これから、東京オリンピックがあって、日本にたくさんの外国の人がやってくる。

日本にはチップの習慣がない国だとわかっていても、日本のサービス業の誠心誠意あるサービスに気持ちとしてチップを渡したい、ということは多いにあるかもしれない。


その横で日本人がビールがぬるい、商品で出てくるのが遅いって店長に土下座させて、過剰のサービスを要求してる一方で、高らかにブラック企業を馬鹿にして批判する光景がでてくるのだとしたら、残念で残念で仕方がない。


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