あなたが起業をするときに心にとどめておく3つのルール

この間ゼミに大学を卒業すると同時にオンラインのECショップ系のベンチャーを立ち上げた人が講演しにきた。

なんでも、高校を中退して、ふらふら世間を見たあと一発念起してうちの大学に入り、あとはどっぷり学問にハマって、というような絵にかいたようなSFC生だった。

生い立ちから起業して今に至るまでの経緯を聞いて、俺がなんとなく今まで感じた「起業」するということに必要な3つのルールを思いついたのでまとめておく。




1.当たり前のルールを守る

 起業して一番最悪のパターンというのは倒産だろう。
でも、倒産というのはある日突然ぱったりくるもんでもない。
資金繰りを誤って、キャッシュフローがうまくいかなくなったときに初めて倒産するのだ。
つまり、言い換えればキャッシュフローさえしっかりしとけば会社なんて絶対潰れないのだ。
起業したうちの9割は潰れるとかいうが、それはどうにもならないバカも含めての数字だ。
例えば飲食店なら1000万円の予算を「よーし パパ起業したから、内装に700万使っちゃうぞー!何事も最初が肝心だー」とかいう奴。どう考えたってつぶれて当たり前だ。
きちんと予算を管理して、キャッシュフローを潤沢にする。これが守れればまず倒産しない。
当然このためには無駄な人件費やら在庫やらもおいてはいけないので、人とモノについてもきちんとしたルールを決めてルールから外れたものは即切る。こういう態度が大事だ。





2.とりあえず会社をつくる
 なんだかんだてとりあえず会社をつくることが大事だ。
日本の社長の半数以上が大学にも行ってない高卒未満の学歴である。
運転免許と同じで、取る前はおっかなびっくりだがとってしまえばこんな簡単で便利なことはないのだ。
一流の大学をでて一流企業に就職したサラリーマンの生涯年収は3億円。
とはいっても銀行にいって、生涯年収が3億だからと言ったところでそんな額は絶対に貸してもらえない。 
ところがそこらへんの中小企業のおっさんにとっては数億なんて数カ月ちょっとで動かしてる額で、銀行に行けばポンと貸してもらえる程度の額なのだ。
さらに言うとサラリーマンは税金天引きなので、1000万円もらっても手取り800万もあればいいほうだ。
普通の企業も一流企業も年にもう一回くらい海外旅行にいける程度の差である。
今の世の中どんな会社だって10年先はわからない。だったら、会社でも作って経費であれこれ落としまくって自由に生活した方がずっといい。
1であげたように最低限のルールさえ守れば会社なんてそう簡単につぶれない。とりあえずまとまった金ができたら何でもいいから起業してしまえばいいのだ。




3.アイディアをパクって転換する
 起業するときには何か革新的な発想や技術が必要だと思ってる人たちがいるがそれは大きな間違いだ。
そんなもんはあとから適当にパクるか買収すればいいのである。そのとき金になると思ったことはみんなすでにやってるのでみんなが金になりそうにならないと思ってるのをやった方がいい。
当然最初はうまくいかなくて人生が詰みかけるだろうが、そこで初めて逆転の発想が生まれ収益につながってくる。
例えば代表的なgoogleだってそうだ。googleの利益の9割を稼いでいる検索連動型広告、これは別にgoogleが考えたわけじゃなくて、利益がでなくてカツカツだったときにOvertureという会社からアイディアをパクったものである(確か200億円くらい払って和解したはずだが、googleの今の売上を考えると飯がウマイってレベルじゃない額である)

日本だと今ノリにノッているDeNAもいい例だろう。あの会社はもともとモバゲなんかやってなくて、うだつのあがらないオークションサイトなんかをやっていた会社である。誰がどう考えたってヤフオクにかないっこなくてVCも次々出資を引き上げジリ貧だった状況で「たまたま」モバゲが大ヒットしたのである。ただ「たまたま」というのはべつにふってわいた幸運というわけではない。チャンスは準備のない人のところには決して訪れない。あの当時モバイルゲームに傾倒してビジネスをするというのはある種賭けみたいなもので、初期のビッダーズでの手痛い経験がなければ、そんな発想もなかったし、手を広げることもなかった領域だろう。会社を立ち上げ手痛い失敗をしたからこうした情報や機会が手に入ったとも言える。

もう一例あげておくと米国にこんな話しがある。

お間抜けなビジネスモデルを成功させたChaCha–絶対失敗すると酷評されたのになぜ? http://jp.techcrunch.com/archives/20091231chacha-makes-its-crazy-business-model-profitable/

これは米国の検索事業のベンチャーなのだけど、何をしてる会社かというと「人力検索」である。

「渋谷で今から映画みたいんだけどーどこでやってんの?」みたいなDQN丸出しの検索をもらって、ガイドが代わりに検索して調べてあげて返事を返すビジネスモデルである。利用は無料だ。

googleに質問すればコンマ何秒で検索結果が帰ってくるこのご時世どう考えたってコストかかりすぎて成功する見込みなんかない。もちろん赤字だ。

ところがどっこい、携帯電話のSMS対応で質問ができるようになるとこれが大流行したのだ。

さらに質問と回答のデータベースをアーカイブ化して公開したり、企業にQ&Aデータとして販売することでかなり儲かっている。

儲かるポイントというのは必ずしも最初からみえていない。見えるようになるのは実際にど真ん中でやってみるしかないのだ。これは駄目だったからこっちでやってみよう、というその機微をつかめるかどうかというのが商才なのだろう。



以上があなたが起業をするべきときに心にとどめておく3つのルールだ。

俺はまだ1番がどうも苦手なので、これからファイナンスとセンスのお勉強をするつもりだ。

そしてさっさと次のステージにいきたい。