グルーポン系サイト焦土決戦が幕を開ける

こんにちは


@tokunoribenです。


最近フラッシュマーケティングサイトはやってますよね。

1日限定で非常に割引率の高いプレミアムチケットを発行し、twitterやfacebookなどのソーシャルメディアによるバイラルなどで顧客を誘引し店舗の集客につなげるというあのサービスです。

いわゆるグルーポン系サイトっていう奴です。

本家のGrouponは創業2年で年商321億円をたたき出し、史上最速で成長したネット企業という急成長を遂げております。

もちろんこうした成功事例を受けて世界各国で雨後の筍のように類似サイトが生まれてきており日本でも様々な類似サービスを展開する企業が増えてきました。

日本では群雄割拠の状態が続くなか、qpodが本家のGrouponに買収され日本に本格的に進出してきたことと、日本クーポン界の雄ホットペッパーが満を持してポンパレードなるサイトを展開してきたことでついに最終決戦が始まりつつあります。


実は私最近こうしたグルーポン系のサイトの中のひとつでテレアポ営業をしていたりします。

ビジネスモデルは同じとはいえ スタートアップ時の企業の内部はなかなか見ることがでないのでなかなか面白いです。

まだ働いて間もないですが、こうしたグルーポンモデルについて会社の中から見て気がついた視点をまとめておきたいと思います。


・キャッシュフローが変える「クーポン」との違い
 日本はクーポン文化の国です。
◯◯はワシが育てた、という人がやたらめったりいたり、No1の営業とかいって皆本を出したがるあの某企業の圧倒的な貢献によって街中の至る所でクーポン冊子がばらまかれ今やどこの店にいくにもまずクーポンを確認して割引がないか確認してからといった有様です。

こうしたクーポンと一体何が違うのでしょうか?違いの最たるものはいわゆる「キャッシュフロー」にあります。

フラッシュマーケティングサイトではクーポンという名義こそ使っていますが実際は「チケット」です。つまり、お客がサービスを受ける前にお店に代金を前払いしているということになります。
実はこれは飲食店などのサービス業においては非常に重要な意味をもっています。
というのも飲食店やエステといったサービス業はビジネスモデルの仕組み上、サービスの対価としてお金を受け取るのでまとまったキャッシュフローを得にくいのです。
ところがフラッシュマーケティングサイトを使うと一瞬にして数十人から数百人分の売上が転がり込んでくるのでこれは毎月月末にヒイヒイ言いながら帳尻をあわせている飲食店にとってはまさに天から降りる蜘蛛の糸かのようにありがたい存在なのです。
そうするとこの形態ならではの問題も発生してくることになります。例えばこうした一時金を目当てにした店舗が計画倒産をするといった事例も今後出てくるかもしれません。
特に日本では尋常じゃないくらい飲食店がいっぱいあります。当然バックがヤバいお店もたくさんあるわけです。
そうなってきたときにどのような対応をするか、というのがこのモデルのビジネスを成功に導く一つの境目かもしれだと思います。




・改めて気づくリクルートのやばさ
もしみなさんがこのモデルのビジネスを初めようとしたらどうやってやりますか?
とりあえずお店に営業の電話しないことには始まらないですよね? じゃあそのお店の連絡先をどうやって手に入れますか?電話帳?それだとそのお店がどんな店かまったくわからないですよね?多分ほとんどの人が「ホットペッパー」なんかを見て電話していくことになると思います。 
実際ほとんどのグルーポン系サイトはこうして営業の電話をかけています(笑) だってすでに卓越した営業力をもった企業が丁寧にもお店のサービスの詳細からウリまで連絡先つきでまとめてくれているんですから利用しない手なんてないですよ。
ただつまり、これは「ぜってーリクルートが本気だしたらかてねー」ってことの裏返しでもあるわけです。
最近ポンパレードはテレビCMを始めました。あのCMのうまいところは共同購入サービスとかフラッシュマーケティングとかいったこのビジネスモデルの主旨に関する説明はいっさいなく、ただひたすら名前を連呼しているという点です。つまり、リクルートはクーポンの共同購入サイト市場を潰そうとしてる防衛戦をしてるわけですね。グルーポンのような売上に対するレベニューシェアではなく店舗からの定額課金が最たる収益のリクルートにとっては他のグルーポン系サイトはリクルートが店舗から料金について突き上げられる原因になるのでウザくてしょうがないわけです。だから、ああして「ホットペッパーの日替わり版」的なものでごまかしているわけです。ちなみに本家のGrouponは12月から本格的にCMを投入してくるそうですよ笑 バックの資本が桁違いな企業ならではです。まさにこの2社による最終決戦がこれから始まるわけです。



・資本力がすべての命運を握る焦土決戦
 日本では都市部にあらゆる業態の店舗が密集しておりすでにクーポン文化が広く行き渡っています。
これは競争が過激でもともと値段を下げれる余地もあまりないし、ユーザーも並大抵の値下げ率では反応しないということです。そしてグルーポン系サイトの特質上扱える案件は1日1エリア1件。ディールあたりの個数を多めに設定すると今度は成立しない可能性も出てくる。つまり、そうすると売上をあげるためにはエリアを広げていくしかない。もちろん属性を絞って差別化することも可能ですが、現状毎日欠かさずディールを成立させていく、というのはナカナカ至難の技で各社躍起になって案件を探しまくってる状況です。そのような状況ではなかなか属性を限定するというのはできないもんです。とするとこれはもう単に資本力が命運を握るゲームです。資本を投下して営業体制をつくった会社が買ってしまいます。とすると先程あげたすでに日本国内に張り巡らせた営業網をもつリクルート、海外の圧倒的な資本力を武器に乗り込んでくるGrouponの一騎打ちにならざるを得んわけです。


なんでもかんでもガラパゴスをつけたがる島国根性丸出しの国日本。

この国でグルーポンはどんな進化を遂げるのでしょうか。

未来が楽しみです。