発見3 まず、「場所」ありき。場所が全てのビジネスの始まりを規定する。

 

よくビジネスは人と言うが、 僕は創業期において、重要なのは人ではなく場所であると思う。場所がなければ人を巻き込むこともできない。物語の始まりには必ず場所が必要だ。起業家が志を語る場所。

 

ガレージだろうが、雑居ビルだろうが、起業家がすべきことはまず最初に場所を調達してくることだ。場所ができれば人と金も集めることができる。

 

最近はノマドと呼ばれスターバックスのようなオシャレなカフェを拠点に仕事を行う人たちも増えているけれど、小洒落た音楽がかかるスターバックスの片隅では、「会社」は始まらないと思う。仕事してそうに見えて奴らはFacebook見てるだけだ。それに、何やら語ったりしたところで端から見るとマルチの勧誘にしか見えない。

 

たとえどんなにみすぼらしい環境であったとしても、周囲の目を気にする事無くビジネスに邁進し、メンバーと一体感を共有できる「秘密基地」が絶対に必要だと思う。MicrosoftもアップルもGoogleFacebookのような世界に名だたるベンチャー企業もガレージや会社の寮の一室で始まったことこそあれ、スタバのような小洒落たカフェが始まりになったという話は聞いた事がない。

 

何のスキルも経験もない創業者であれば、なおさら場所の確保に全力を尽くすべきだ。

場所さえあれば、なにはともあれこのような環境をつくり提供している、という一点において代表者の力の不足をカバーし、魅力を伝えることができる。

 

さらに不動産信仰が根強い日本ではことさらオフィスというのは重視される。

 

巷で流行りのコワーキングスペースでは銀行の法人口座をつくるのにも難儀する。ちょっとしたなんちゃってビジネスをやるんなら別に問題ないのだろうが、対法人向けビジネスをやろうとするなら、こんなオフィスでは信用力はゼロにも等しい。

 

かといって、資金面で余裕のない創業期でそれなりにオフィスを構えようとするのは、自殺行為でもある。

 

結局コネやツテを総動員して、表にはでてこない破格の条件の場所を手に入れ、またオフィス用品もこれまた低コストで調達する必要がある。

 

ビジネスという行為自体が、まだ人が気がついていない情報やニーズに目をつけて、先駆けて行動をおこすことによって利益を得るという概念である以上、いかに表に出て来ない条件面で有利な場所と出会えるかからがすでにビジネスがはじまっているという気がする。

 

誰にでも手に入るお膳立てされた情報にほいほいと従って、ビジネスを成功させたという話は古今東西どこを探しても存在しない。

 

もし何か会社をつくりたい、ビジネスをしたい、というならまずは「場所」を準備することに、全精力を傾けるべきだろう。場所を確保して、さぁこれから何をしようか、でも全然構わないと思う。

 

僕は本当に偶然だけれども、今のオフィスの場所と出会えて全てが、始まった気がする。

 

「ここを借りさせてください!」と答えたあの瞬間が僕の人生で最大の転換点だった。

 

ほんとに今のオフィスの環境に出会えてよかった。ここがなければ始まらなかった。