今年のスローガンは「再定義」にしました。

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新しい年を迎えるにあたって、自分や会社のスローガンを何にするかを考えていました。

去年有名になったところで言うと、ヤフージャパンの宮坂社長が掲げた「爆速」は大変いいスローガンだと思いました。

ヤフーの記事を見るたびにそこには「爆速」のキーワードが必ずあったものですから、社外の僕のような人であっても、ああ、この会社は「爆速」がスローガンなんだな、と強く記憶に残りました。

社外ですらこのような印象を持つのですから、社内だとなおさら「爆速」を意識する機会が多いのだと思います。



会社の規模が大きくなればなるほど、トップのメッセージは社内に伝わりづらくなります。

そして、トップも様々な利害関係の調整や全社的な目線を踏まえた上でビジョンを指し示す必要がある以上、どうしても具体的な指針が出しづらい立場にあります。

だからトップの掲げるスローガンは、シンプルで何度も何度も繰り返し伝える必要があります。

そんな中、「爆速」というスローガンは非常に秀逸でした。

どんな部署や仕事に携わる人間であれ、仕事の速度というのは全員が意識することのできるテーマだからです。

経営学的な事例で言うと、かつてコンチネンタル航空という会社が、社内のストや非効率化などによる度重なる赤字経営でつぶれかけていた時に新しく就任したCEOは「定刻の出発」というスローガンを掲げて、定刻の出発達成率が業界5位以内なら全員一律ボーナスを支給すると宣言しました。時間という一つのわかりやすい共通目標が設定されることで、ストや対立が相次いでいた社内が一丸となって団結、無事に経営危機を乗り切ったというエピソートがあります。


また、このスローガンはもはや安定した大企業となり慢心感漂うヤフージャパンに危機感を植え付けるという意味でも大変すばらしいテーマでした。

実際に施策を振り返ってみるとまさに爆速にふさわしい経営だったと思います。

意思決定やアクションに時間がかかることが大企業のの欠点であり、ベンチャーの優位性であるのに、

そこに豊富な資本や人材のリソースを有する大企業が速度を持ってアクションを起こすと。これはもはや超大型巨人ですわ。



で、話は変わって、自分もそういうシンプルなスローガンを決めたいなぁと思って、いろいろ考えていたのですが、

「再定義」

にしました。

この「再定義」という考え方は、こちらの記事で去年なんとなく書いたら思いの他反響があったエントリから持ってきました。

成功するビジネスの本質について - 拝神


ビジネスの全体であれ、細部であれ「再定義」という考え方は大変重要だと思います。


例えば、去年秋頃話題にあんりそして今年にかけて流行ると言われているのが、「バイラルメディア」という存在です。

バイラルメディアとは、今アメリカで大流行中のソーシャル系サイトでユーザーが共有したくなるコンテンツを発信し、一気にネット上で拡散させることにより、膨大なトラフィックを獲得しようとするメディアサイトのことです。

代表的なバイラルメディア「Upworthy (アップワーシー)」は、開設2年弱で月間9000万人ユーザーが訪れ、史上最速のスピードで急成長しているとさえ言われています。

ただ、蓋を明けてみると多くの記事がシンプルにyoutubeの動画とごくごく短い説明文、そして印象的なタイトルが付けられているだけです。

既にwebに上がっている動画や画像コンテンツを50名ほどの担当者が記事タイトルを入念に検討して徹底的なA/Bテストの実施により、ソーシャルでのバイラルが発生させることだけに特化したコンテンツ及びタイトル設定したメディアがバイラルメディアの正体といえるでしょう。要はNaverまとめのようなキューレーションサイトです。

しかし、これもある種、僕は「再定義」だと思いました。

もともとネットの波になんとなく浮かんでいる何の変哲もないコンテンツを、バイラルの本質を見抜き、キャッチーで、センセーショナルな切り口をつけて新たな価値を「再定義」してあげることによりそれは、大変な価値を生むのです。

これを再定義と言わずなんというのでしょうか。

この考え方はこういう大きな事業構造だけでなく、日常の仕事レベルでも「再定義」的は発想が、活きることは多いと思います。

「なんで、こうなんだろう?」
「これって、要はこういうことだよね?」
「本質的にはこういうことだから、こういうに置き換えたらもっとよくなるよね。」


目の前の物にまずは、疑問の目を向けて、そして本質を捉えて、新しい意味付け行う、そういう再定義を今年は改めて大事にしていきたいなぁと思うわけです。

「世間において、常識と見なされていることに対して、疑問を呈する勇気を忘れてはならない。健全な猜疑心こそ、物事の裏に潜む本質を見極める近道である。」

 とは、元米国財務長官 GS元会長 ロバート・ルービン氏の言葉です。

良い言葉ですね。

ということで「再定義」で様々なことにチャレンジして行きたいと思います。

今年もよろしくお願いします