女(なんじ)は画れり

冉求(ぜんきゅう)が曰わく、子の道を説(よろこ)ばざるに非ず。力足らざればなり。子の曰わく、力足らざる者は中道にして癈(はい)す。今女(なんじ)は画れり。



【ブラック訳】

孔子「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になるんですよ」
冉求「?」
孔子「途中で止めるから無理になるんです。途中で止めなければ無理じゃ無くなります」
冉求「いやいやいや、順序としては『無理だから→途中で止めてしまう』んですよね?」
孔子「いえ、途中で止めてしまうから無理になるんです」
冉求「?」
孔子「止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる」
冉求「一週間」
孔子「そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう」
冉求「…んん??」
孔子「無理じゃなかったって事です。実際に一週間もやったのだから。『無理』という言葉は嘘だった」
冉求「いや、一週間やったんじゃなくやらせたって事でしょ。鼻血が出ても倒れても」
孔子「しかし現実としてやったのですから無理じゃなかった。その後はもう『無理』なんて言葉は言わせません」

【現代訳】

冉求が言った。『先生の道徳の道が好きではないのではありません。私の力が足りないだけです』。先生がおっしゃった。『力が足りない者は途中で投げ出すものだが、今のお前は、初めから自分自身の力を制限しているだけだ』。
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