ダメ人間すぎたので、断食しにいったら4kgも痩せた件 後編
Day2:覚醒
ついに本格的な断食の日。
朝6時に起床。そしてそのまま30分ほど山道を歩いて滝へ。
霧が立ちこめる朝の山ってほんとうに神秘的な空気がありますよね。
昨日と同じようにふんどし一丁になり、滝に打たれます。
7月ということもあり寒い冷たいといった感情より、爽快感の方が勝ります。とはいえかなり冷たい水であることは間違いありません。滝行が終わった後のわき上がる高揚感がまたなんとも言えない、ハイな気分にさせてくれます。
ここで、朝食を食べたいというところですが、残念ながら何もでてきません。
無です。
しかし、あらかじめ断食と、わかっていると意外に辛くないものですね。
朝の瞑想の時間が終わり、自由時間となったので、もう一つの滝を見に行ってみようということで山道を歩き始めます。
滝行と瞑想はそれぞれ朝と昼の2回ずつそれ以外は何をしても構わないのです。
自分たちは滝行と瞑想と断食ということで来てますが、ここ御嶽山はハイキングの名所。周りはストックを持ち、リュックをしょった山歩きのお手本という格好の人らに混じって短パンとクロックスというふざけた格好、それもメシを食っていないという体力的にも不利な状況で山は甘くないですね。
疲れたらセブンか自販そのへんにあるっしょ、というのが当たり前な東京人の甘えをへし折ってくれます。メシも食えないので滅茶苦茶苦しかったです。
山道を1時間ほどたどり着いたのがお目当ての滝がこちら。こちらで滝行をすることもあるそうです。
まるで滝かっていうくらい汗をかいたので、仲見世エリア一画の宿坊、直木賞作家浅田次郎氏の所縁の宿坊という、旅館の外湯で、汗を流します。決して派手ではないもののセンスのよい落ち着いた調度品で包まれたスペースには、居心地の良さを感じます。こういうとこで俺も日がな一日こもって文章書いてたら幸せだろうなぁ。
神社の仲見世の誘惑を断ち切り、読書などをしつつ、その日2回目の滝行まで時間を潰します。
この辺りからだんだん空腹感が苦しくなってきますが、断食するんだという確固たる意思で、我慢をします。ちなみに山腹の宿坊とはいえ、神社へと続く仲見世では、おいしそうなものが並び、誘惑は多いです笑
空腹を紛らわす為に、ひたすらお茶を飲みつつ読書などをしていました。
そしてつつがなく、2回目の滝行と瞑想へ。
こうして滝や瞑想をするのが3回目くらいになってくると、もの新しさというよりも繰り返す行為の中に何かの意義が見出せるようになってきます。
神道とは何か、滝に打たれるとはどういうことなのか、瞑想とは何か。
そして自分とは何かーーーーーーーー
僕の場合はブログ書こうと思ってたので、ブログに何を書こうかな、と考えてました。
それで書いたのがこちらの記事ですな。まぁ時間があれば読んでみるといいですよ。
気がつけば当たりは夜に。
緑茶でカフェインを摂取したのか、空腹で感度が研ぎすまされたせいか、昼間あんなに歩いたというのにまったく眠気を感じません。
あらゆる感覚が鋭敏に研ぎすまされているのを感じます。こんなときにクリエイティブな作業をすればずいぶんとはかどることでしょう。
せっかくなのでとことん自分を変えようと思って、今まで読めてなかった自己啓発本の名著七つの習慣を読みふけります。そして、ひたすらブログの文章を書き連ねて、眠くなったら寝ます。
Day3:かゆうま
そして、最終日。
朝、滝に打たれたらいよいよ、断食も終了です。
最終日ともなれば、滝に打たれるのも慣れてきますが、それでも、いざ滝を前にすると気が引き締まる思いがします。
神主が、最後には下界におりたくなくなるよ、と言っていたのですが、その感覚がはっきりとわかりました。
いま、わかりました。宇宙の心は彼だったんですね。
ちなみに空腹感は意外と感じられません。1日の峠をすぎると苦しくなくなるそうです。
食べたいという欲求よりも、むしろここまできたんだからこのまま断食していたい、という
感情の方が勝ります。
とはいえ、無理は禁物。ここはきちんとおかゆをいただいて、身体を元に戻す事にしましょう。と、その前に、しないといけないことがあります。
ちなみに2泊3日(うち2食は粥)の断食をするとどれくらいやせるの?という疑問があると思いますので,書いておきましょう。
答え:-4kg
4kg減ってました。実質1日で4kg痩せるとかマジか・・・
あと山道も結構歩いていて、2泊3日でどれくらい歩いているかというのをmovesで見ると、約30km歩いてました。山道ですので、結構な運動量になってると思います。
そして、いざ食事へ。
かゆ
うま
まさかリアルでこの言葉を使う日がくるとは思いませんでしたwww
いや、ほんとに、おかゆうまいんだ。
ごくごく当たり前のおかゆが、五臓六腑に染み渡ります。
白米がうめぇ、梅干しがうめぇ、漬け物がうめぇ、すべてがうめぇ・・・
そうか。世の中にはこんな身近に幸福があったのかーーーーー
いま、わかりました。宇宙の心は(ry
ちなみにお値段は一連の行程や込み1泊2日で約8000円ナリ。民宿ということもあり、宿泊施設は決して豪華ではありませんが、それにしても安い・・・
ちなみに宿の主、橋本氏は現在も神社の役員を努める現役神主。予約制ですが、氣学による運命判断もやってくれますが、こちらは値段1000円。やってもらうことにします。
こういうのってもっと値段するもんなんじゃないんでしょうか、と逆にこっちが心配になるレベル。
あまりこういう占いとかというのは信じないたちなんですが、この劇的な自身の変化やこの自然への畏敬を目の当たりにして、何か人智を超えた何かしらの効用を認めざるをえません。
わずか2泊3日の修行ではあるが、俺は変わった。
冷たい滝に打たれ、山道を駈け、食を断ち、瞑想で己と向き合った。
今の俺なら、何にでも立ち向かえる。
もう、何も怖くない。
この変わった自分と結果を受け入れて新しい一歩を踏み出すッ・・・!
ーーーーー
「では始めましょう。ここに来た理由は何ですか?」
「弱い自分を変えたい、と思ったからです。」
「ふむ。生まれたのはいつですか?」
「○○です!」
「どれどれ・・・・!! 白き木星かぁ・・・・ むー、これは・・・」
「えっ。どうなんですか?」
「残念だけど、今年は何をやっても自分を変える事はできないよ。来年から再来年にかけては好転するけれど、何やってもうまくいかないね。唯一できることとしては場所と環境を変えるくらい。自分を変えるんじゃなくて、自分が合う場所を見つけなさい。ちなみに職業は?」
「き、起業家をやってます!」
「起業家・・・経営者とかそういうのは、あなたには全く向いてない職業だね。」
「・・・・・」
「人に何かを伝えたり、教えたりする仕事が向いている、とでてるね。何か仕事を変えた方がいいんじゃないかな。」
「・・・・・」
ーーーー
人は弱い生き物です。
罪に色はありません。そこには闇があるだけ。
だからこそ闇の中でほんのわずかな光を見出す瞬間、
それはとてもとても美しく感じるのです。
かつて、アダムとイブは禁断の果実を食べ、永遠の苦しみの業を負いました。
いけないと知りながらも、それが枷とならない不実なことに、人はどうしようもなく惹かれてしまう。
そんな脆さをもっています。
「本当の災いは外側にはない、内側にこそ真の災いがある。」
たった2泊3日ですが、そのほんの一端に僕は触れることができました。
畏れ多いことではありますが、より真理に近づくために、また来ようと思います。
この経験を噛み締めて、普段の食生活から見直し、清い身体で、日々を過ごして行きたいと思います。
ではでは!
※今回の行をちょとまじめに書いた総集編はこちら。