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毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読むことの価値が理解できない環境で働く人ってかわいそうだなぁ。

起業論

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4月になりました。暦上ではただの月の変化でしかないですが、日本では4月から新年度が始まったり新しい環境が始まる人がとても多いと思います。

あー、今年も社会人が社会経験のない無垢な新入社員に向かって「新入社員に伝えたいこと・・・」とか言って承認欲求を満たしてドヤるブログ記事で溢れかえるんだろうな〜と思ってたら、ライフネット生命や入社1年目の教科書でお馴染みの、岩瀬さんがこんな記事を書いて話題になっていました。


入社2日目の明日から試して欲しいこと|ライフネット生命 社長兼COO 岩瀬大輔のブログ


けんすうさんも反応して記事を書いていてこちらも話題ですね。

新入社員が朝30分早く来て新聞を読むのはハックとしては割とおすすめ - nanapi社長日記 @kensuu


岩瀬さんという人は調べていただけるとわかるのですが、常人には理解しがたいモンスターみたいなキャリアの方で、やもすると

「かーっ 俺も入社1年目とか全然仕事できなかったわーwwwほんと全然仕事できなかったわーwww せいぜい開成高校から現役東大法学部進学して、在学中に司法試験現役1発合格したくらいしか能力なかったもんなーww ほんと俺も新入社員のときは仕事できなかったわーwww」


みたいな地獄のミサワ的な感じになりがちなのですが、この記事の内容はとてもシンプルなメッセージで常人にも応用できる内容で大変素晴らしいと思いました。


「それでもはてブなら・・・はてブなら・・・」 と思ったら案の定、「ブラック企業ガー」「労務管理ガー」というお決まりのコメントが溢れていました。




「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読むこと」というのは、実はかなりビジネスをやっていく上でとても重要な内容が散りばめられたセンテンスだと思っています。

岩瀬さんがなぜこのメッセージを送ったか。

この趣旨をわかりやすく分解して考えてみることにしましょう。

①早起き・時間厳守の習慣をつくるということ。

 僕も経験があるからよくわかるのですが、サラリーマンは朝早く起きて決められた時間に行くという行為が発生します。これは慣れないうちは大変な苦痛を伴う行為です。ついこないだまで、「だるいから、今日1限切るわ〜」みたいな生活をしていたのが、今日からはわずかにおくれるだけでも処罰の対象となる環境に変わるわけです。たかが数分の遅刻なんて、と思うかもしれませんが、現代社会は「時間を守るということ」ということに関しては恐ろしく厳しいものです。遅刻であれば社内での評価対象だけですむかもしれませんが、
これがビジネス上の取引であれば、遅刻して心の中にほんのわずかな相手への貸しをつくってしまったことが、結果として相手に取引が有利に働いて大きなビジネス上の損失を生む結果になってしまったり、あるいは経営者だってほんのちょっと銀行への入金が遅れただけで不渡りを出して倒産の憂き目にあったりするのです。

こういう時間厳守というのは、やはり普段から時間を守ろうという意識を持つ以外になかなか変えるのが難しいと思います。そのひとつが出退勤だと思います。

ギリギリの時間に会社に駆け込むのではなく、普段から30分余裕を持って出社するように心がけると、例えばちょっとした体調不良や電車の遅れ、乗り間違えなんかにも対応できてよっぽどのことがない限りきちんと定時までには会社に出社することができます。別に正規の理由があれば遅刻してもいいとは思いますが、あれこれ余計な詮索されたり、手続き申請したりするめんどくささを考えたら早めに出社するという方が楽だと思います。

また、朝早く起きるというのは単にビジネス上の都合だけでなく、生活習慣としてもとても優れていると思います。どんな本にせよ早起きしろとは書いてあれ、早起きするなとは書いてありません。朝早く起きてフレッシュな気分で1日を過ごすのはとても気持ちがいいものです。休日だって早起きした方がずっと1日が充実します。早起きを一度習慣として身につけてしまえば、ずっとあなたの生活を豊かにしてくれることでしょう。



②情報に投資をするという習慣をつけるということ。

最近の若い人(というか俺も若いんだけど。)が見落としがちなのは、情報に投資をするという考え方だと思います。

ネットが普及しまくったので、スマフォを見れば無料でいつでもニュースを見れる時代にお金を払って新聞なんかを買うのは結構馬鹿げたことに見えますが、これ、実は結構大事なことです。

例えば、ウェブは情報の即時性や検索性にはすぐれていますが、網羅性と社会性については新聞の方が優れていると思います。
ネットは速報を見たり、興味のある情報についてサッと調べるにはとても優れたツールですが、全体をざっと斜め読みをしたり、社会一般の話題を知るには新聞の方が便利でしょう。
特にこの社会性というのはとても大事だと思います。僕は前職は金融機関だったので、日経新聞を読んでましたが、まぁ、ぶっちゃけ本当に市場に影響を与えるような情報は日経新聞に載ったのを見て知った時点でもう手遅れなんですが、「一般ピープルはこれくらいしってるんだなー、こういう認識をもってるんだなー」という平均的な考えを知ることはお客さんと話す上でとても話題にしやすく参考になりました。

また、斜め読みのいいところはセレンビリティを得やすいということがありますね。

メディアというのは、お金がどこから出てくるかによって大きく内容を変えるものです。

「インターネットは真実(ドヤ」は確かにそうかもしれませんが、しょせん2chまとめサイト(笑)とかはてな(笑)とかアフィ乞食がPV稼ぎに煽ったりまとめたりした記事ばっかりが幅をきかせてるのが現実です。

残念なことにそんな底辺層が喜ぶゴミみたいな情報をせっせと集めたところで何ら人生に寄与しないというのは彼らが身を持って証明してくれています。

本当に価値のあるものはやはりそれなりに費用がかかる。というのはとても大事な認識です。

ビジネスは「知りませんでした」という言葉を言えば言うほど儲からないようになっています。

ほんのわずかな情報収集を怠ったばっかりに、致命的な打撃をくらうことは多々あります。そういうリスクを回避するために良質な情報源に投資をしておくということはとても大事な習慣です。新聞はその中でも低コストで、デイリーで多くの情報に当たれるすぐれた媒体です。

こういう情報へのわずかな投資を怠る姿勢というのが、結果としてその他の情報への投資もおろそかにすることにつながります。

「新聞なんてオワコンwwwネットならタダwww」という人間というのはやはり其の程度のスケールで終わる人間なのだと思います。

 

③できるヤツだと思われることの大切さ

おそらくこの項目が本来の趣旨でいうと一番近いところだと思います。

組織に入って下のポジションから働くという以上、仕事というのは「上から任される」ものであることが大半です。

仕事の報酬は仕事、とは誰の言葉から忘れましたが、しょぼい小さな仕事からこなしていって社内の信用を得て初めて大きなやりがいのある仕事を得られる機会が生まれます。

同じ時間働くなら、だれでもできる単純作業より、クリエイティブでやりがいのある充実した仕事をしたいですよね?

では上司や先輩が何の仕事を誰に任せるかをどういう基準で選んでいるかというと、「なんとなく」です。

そうです、「なんとなく」です。

ただ、実はこの「なんとなく」というのはとても大事で、

だいたい同じような人や物を比較したときに、じゃこっちで!となる決定要因は実に些細なことです。

誰か新人にお客さんを紹介してあげよう、と思ったときに、きちんとした身なりをしていると、とりあえずこいつは悪印象を与えるところはないから連れてくか。となるかもしれないし、あるいはこいつはなんか情報収集熱心にしてるから、この資料の取りまとめ任せてみるか、とか、そういう些細なことで仕事が決まったりします。

当たり前ですが、任されなければリターンは「ゼロ」です。仕事で信頼を得られない以上、いつまでもしょぼい仕事をやるしかありません。


だから、新聞を読むというのもそういう意味でいうとぶっちゃけポーズです。わいは情報収集をしっかりやってまっせ!というアピールです。

だから新聞も自宅や電車じゃなくて人がいる会社で読むのです。

そして、紙版の方がいいです。タブレットやスマフォだと2chまとめ(笑)やらはてな(笑)を見てるのかどうか区別がつきませんしね。

ある程度実績や経験が伴えばこんなことでいちいち判断はされませんが、未だ評価が定まらない初期においてはこうやって少しでも、機会を得ることに全力をそそぐべきだと思います。

実際、専門職でない限り、仕事なんて実際仕事するのはExcelさんとかPowerPointさんとかWordさんであって、だいたいだれでも一定の能力があればできる仕事が多いです。

仕事なんて任されたらたいていできるのです。それだけで、次のステップにいけるのでおいしい話です。

そういえば 僕は結構配属で良い部署に入れてもらって面白い経験をさせてもらったのですが、今思えばキャラに似合わず研修中から上記のようなできる新入社員のフリをしてみたり、なんだかんだで飲み会を仕切ってリーダーキャラを演出してみたりとアピってたのもちょっと関係あるのかなと思いました。

今、思えばほんとくだらないことなんですが、それで結局はエキサイティングな仕事ができるようになって、いまがあるのでとても感謝しています。

④アドバイスを受け入れる素直さ

会社というのシステムであり、組織です。組織である以上、効率のよい運営のために上官の指示には従うのが原則です。

だからガムをくちゃくちゃ噛んで、適当そうに見えるアメリカ兵なんかも、軍隊という組織においては上官の命令には絶対で命をかけるのです。

当然ポジションが高い立場の人間というのは、下の者にあれこれ指示を出す権利があります。

ただ信頼関係がない上で無茶な命令を出すのは、かえって反感を買うもとですので、そういう時はアドバイスをして様子を見たりします。

その一つがこういう「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読むといいよ」というものだったりするわけです。

もちろんこれは、自分自身の経験則では正しいですが、実際に未経験者にはいまいち価値が通じないものかもしれません。

そういうときに、

「いまどき新聞とかダセェっすよwww時代ははてなっすよw先輩はてブしらねーんすかw」

「ちーっす これって業務命令だったら早出出勤で勤怠申請しちゃっていいんすかねwww?」


といって、反論する新人より

「わかりました。やってみます。」

といってまずは素直に受け入れる新人の方が組織の上官として優遇したくなるのは当然です。

もちろん結果として、「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読む」ことが自分には合わないということもあるかもしれませんが、それは自分で一定以上やった上で、自分に合わせて変更するというスタンスを取ればいいだけです。


結局、見られているのはその行為ではなくて、何かものを薦めたときにそれに対する態度が見られているのです。

これも上記のように自分の評価につながります。

大事なのは 素直さ、なのです。

経営の神様の松下幸之助氏も、リーダーにとって唯一必要な素質があるとしたらそれは「素直さ」だと言っています。

自分より経験や実績のある人間が何かしらの意図があって薦めているわけです。

それをまずは素直に受け入れて、良い所は取り入れ悪いところは改め其の上で自分なりのスタイルや方向をつくっていくことが大切なのでしょう。




以上、つらつらと書いてきました。こういうことをつらつらとかかずに、「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読む」と一言でまとめた岩瀬さんはさすがだなぁと思いました。


え? それでも 「ブラック企業ガー」「労務管理ガー」だって?

なるほど。いま、わかりました。

そもそも新入社員というのは、即戦力にならないので、会社にとっては投資的な要素を含むものです。

通常業務や作業に人材が必要なら中途採用や、非正規雇用をするわけです。

それをあえて経験の少ない若者を正社員という立場で雇用するのは、その人が将来自社を担うリーダーとなってほしいと思う、期待があって、そういう将来に期待して、企業は投資をするわけです。

当然、リーダーになる以上、目の前のことだけやればいい、というのでは困るわけです。あらゆることにアンテナを広く張って、深い洞察力を持ち、組織をひきいて将来は大きな利益を会社にもたらす存在になって欲しいと思っているのです。

だからこそ、企業は新入社員を雇うのです。


ただ、会社によっては「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読む」ということが憚られる職場もあるかもしれません。


こういう新人が「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読むこと」程度のことを評価しない環境、あるいはその価値が理解できないひとたちにあふれた職場というところで、あなたが求められる役割としては言いにくいですがただの「歯車」です。

歯車である以上、残念なことにあなたは代替可能な単なるいち労働力でしかありません。

歯車はしょせん歯車なんだから、余計なことを考える必要はありません。末端が頭をつかって考えたところで混乱のもとです。

だから歯車は歯車らしく黙って与えられたことをたんたんとこなせばいいのです。

もちろん歯車と言っても、機会ではなく人間ですから稼働した分の対価はもらう権利があります。

キッチリ余すことなく勤怠の申請をして残業代がつかないものなら「あ、やりがいとかいらないんで、とりあえず残業代ください。」と上長を罵ってもらうものはもらっておきましょう。

それが歯車としての働き方であり、幸せな生き方でしょう。

そういう環境であれば、毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読むなんて無駄なので、なるべくギリギリに出社して、新聞もコストの無駄なので買わない方がいいですね!


さて、僕も初心に戻って今年度も頑張って行こう!



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