政治家的には災害とか人災で多少国民に死んでもらった方が激アツリーチが発生しておいしい。

世は選挙ムード一色である。

今回の選挙の争点の特徴のひとつとしては、未だ収束の目処がたたない未曾有の放射能事故を引き起こした原子力発電についてどういうスタンスを取るか、ということがあげられると思う。


資源に乏しい日本が発電効率や環境負荷の少ない原子力発電に傾倒するのは至極全うな選択だと思うが、

そこに待ったがかかるというのはやはり今回の事故のように、得られるリターンと引き換えに発生するリスクというものに対していかに向き合うか、ということへの問いかけが求められているのだろうと思う。

また選挙と時を近くして折しも起きてしまった公共インフラの老朽化による不幸なトンネル事故も相まって、これらリスクと費用対効果の関係というものへの関心は高まるばかりである。


このような状況下において、いち国民として我々は何に注意を払うべきだろうか。

政治家はどんな高尚なビジョンを掲げようが、実績をあげようが、落選してしまえばただの無職である。

同じ無職なら、まだはてブでホットエントリ入りのブログでも書いてるアルファブロガーの方が影響力があるだけマシだ。

この一点において、政治家として最優先すべきは当選するということのみである。


もし、あなたが政治家なら何を考えるか? 

やはりどうやったら多くの票を集めることができるか、に尽きるだろう。

だとすると、ぶっちゃけ、政治家的には災害とか人災で多少国民に死んでもらった方が票獲得の激アツリーチが発生しておいしいのである。

それは政治家が、こうした犠牲者に寄り添い涙を流しながら過ちは繰り返さないと遠大な理想論をぶちあげた方が人々の喝采を浴びる、そして票をゲットできるという現実があるからだ。

逆にもし優れた政治家が、原子力発電のリスクや高速道路のリスクを未然にきちんと把握し、様々な政策を実施し、そもそもの事故の発生を未然に防いでいたら、どんな評価を得られていただろうか? 

この場合、世間の評価は「ゼロ」だ。

なぜなら原子力発電所は爆発しないし、トンネルの天井は落下しないのが当たり前だからだ。ところがその当たり前を維持することが評価されることはこの国では、ない。

むしろ、中途半端に問題提起をして事故が起こってしまったものなら、なぜわかっていながら防げなかったのか、と国をあげての非難の嵐である。

そう、「事前の問題提起」より「想定の範囲外」を選んだ方がこの国では票獲得の確変発生の激アツリーチが発生するのだ。

この姿勢は普段の自然災害に対する姿勢からも知る事ができる。

例えば2011年8月、アメリカで発生した歴史的規模の大型ハリケーン・アイリーンに祭し、オバマ大統領はハリケーン上陸前に会見を開き、国民に最悪の自体を想定した対策を呼びかけた。これを受け北東部の沿岸各州では緊急事態宣言を発令、交通機関の一斉全面停止や30万人以上の住民へ避難命令など、大体的な対策が行われた。ハリケーンは東海岸に甚大な被害をもたらし、40人もの尊い命が失われた。

ほぼ時を同じくして2011年9月、日本を平成23年台風第12号が襲った。政府は9月4日に非常災害対策本部を設置。台風は日本全土に猛威を振るい92人の尊い命がなくなった。




なお、台風の大型化が確認されたのは8月29日である。



 もしあなたが日本で政治家として成功したいなら、リスクをとって未然に行動を起こさない方がいい。無職への道へ突き進むだけだ。

むしろ何か事が起こって、多少国民に死んでもらってからが腕の見せ所だ。

颯爽と誰よりも早く被災地を駆けつけて、目に涙を浮かべながらあちこちをまわる姿をテレビにおさめる、これで激アツリーチ発生だ。

あとは、目を明後日の方向に向けて遠大な理想論をぶちあげれば確変が確定。

具体性とか、整合性とかはあんまり気にしないでいい。むしろ逆手にとって、非難のネタにすればいい。

どうせたいしてみんなわかってないんだし、細けぇことはいいんだよ!

さらに一歩踏み込んで坂本龍馬を彷彿とさせる「遠大な理想論をぶちあげつつ志半ばで倒れた人」くらいの演出があったりすると、みんな坂本竜馬とか大好きだし、適当に坂本龍馬のデジャヴっぽい感じで盛り上がって、沼の三段クルーン突破みたいな大盛り上がりで完璧。


晴れて君は立派な政治家の道を歩む事になる。


おめでとう。これからの日本をよろしく頼む。



え? なんかすごい嫌悪感を感じる?? 筆者の常識を疑う??


だとしたら、その憤りをぶつける先はこんなブログに対してではなく、

あなたの「投票」というアクションに向けられるべきではないんじゃないですか?

誰がこれからのこの国のリーダーとしてふさわしいか。

それを決めるために自ら判断し、一石を投じるのが、あなたが今、できることでしょう。



16日は投票日。お忘れなく。



そして数々の不幸な事故で命を失われた犠牲者の皆様のご冥福をお祈りしています。