発見5 生活のミニマムライフコストが押さえられるという点で若者の起業は強みである。

起業をするなら何歳でするべきだろうか? これが絶対正しいという答えはない。

ただ、生活のミニマムライフコストがおさえられるという点で若いうちでの起業は有利だと思う。

 

将来独立するという意思をもってまずはサラリーマンとしてのキャリアを始める人は少なくないと思う。

ところが社会人になり仕事に打ち込んでいくとそれなりに役職がつき、給料が上がっていく。すると、意味もなく生活水準を上げてしまうのだ。

例えば今までは回転寿司で満足していたのに、のれんのある高級なお寿司屋さんに通い始めたり、

今までは地上波で満足していたのに、スカパーを契約してみたりして無駄に固定費をあげたりしてしまう。

一つ一つ生活水準が上がっていくたびに、出ていくお金が増えていく。出ていくお金が増えると、そのお金を失うことが怖くなり、色々なことにチャレンジができなくなる。チャレンジができなくなった人間は、結局いつの間にか「つまらない大人」への途をまっしぐらに進んでいく。

だからこそ、必要最低限な生活コスト、いわゆる「ミニマム・ライフコスト」が抑えることが容易な若者の強みはそれだけで強みだ。

 

20代前半ならカップラーメンを毎日すすって、オフィスのソファーで寝泊まりしても、若さゆえに生活に耐えられる。知らないぜいたくは抑える必要もない。

 

さらにこの年齢なら守るべき家庭や、介護の重み、老後の心配もまだ考えるには猶予がある。

 

しかし年次があがっていくとそうは簡単にはいかない。守るべき家庭、両親の介護、老後の心配・・・悩み事は尽きない。そしてちょっとした付き合いで出て行く交際費も大きい。牛丼屋や280円居酒屋で一席、というわけにはいかないだろう。高い給料をもらっていたなら住民税の支払いだけでも一苦労だ。

 

ビジネススキルや人脈という点では、年齢を重ね社会経験を積んだ方が有利なのは間違いない。ただ、それを補って上回る、起業向けの環境が20代前半で起業する起業家にはある。そして、この急激にパラダイムが進む時代においては、既成概念や慣習にこだわらない、若さ故の突破力が有利に働く事も往々にして存在する。

世間知らずで経験不足だろうが、3年や5年全力でやってみる。それが仮に間違いでうまくいかなかったとしても、まだ28、29歳だ。

 

そして残るのは新規事業を立ち上げて、組織をつくり、会社をマネジメントした、という一朝一夕には決して得る事のできない貴重なスキルである。

 

「まずは、つべこべ言わずつまらない仕事でも全力で取り組め。」「まずは3年間泥のように働け。」

 

組織に所属した多くの若者が言われることばだ。

 

その言葉が間違っているとは思わない。結果としてその言葉を信じた人間だけが今の会社に残り重要なポジションとして昇格しているわけだから、その言葉を組織の上層部が投げかけるのは至極妥当だ。

 

ただ、そもそも与えられた常識や既成概念を疑うという、ところがビジネスの始まりなのだ。

 

だとしたら、まずは自分の人生の常識や既成概念をぶちやぶるところからが始まりなのじゃないのだろうか。