あの時の自分があったから今の自分があるとか言い始めたらもう終わりだわ。

こんにちは @tokunoribenです。


恒例の15分書評を続けます。

今日の著書は稲盛和夫氏執筆の名著、「働き方」





働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」
稲盛和夫
三笠書房
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はっきり言って、好きか嫌いかは別として、社会に出てて稲盛和夫氏知らないとか著作物読んだことない人とか完全にモグリなので、相手にするだけ人生の無駄です。付き合っても多分自分にとってもプラスになることないです。付き合わないようにしましょう。


本書では稲森氏が大学を卒業してブラック企業に入社してしまってから、日本を代表する名経営者となるまでの様々なエピソードを取り上げて、働くとはいったい何か?という、読者の尽きることのない疑念への一つの答えを示唆します。


新宿の居酒屋で赤ら顔の先輩が、仕事ってのはなー、だなんてそれっぽいことをくだをまいているのとは訳が違います。


日本を代表する数少ない、本物の経営者が人生をかけて紡いだ、精錬された言葉です。


人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力


といった有名なフレーズはどこかで見たこともある人も多いかもわかりません。

稲森氏の苦難に満ちた人生が収斂された言葉がすっと腹に入ってくるとそれはまた、何だか人生が開けてくるような気がします。


ただ、これらの言葉の前提条件として背景にあるのは


「今の自分があるのは、あの頃の苦労した自分があったからだ。」

という考えです。


ブラック企業に就職したけど、もうダメかも知れない時代の稲森氏のエピソードなんかを見てると、ゆとり全盛期の我々は目を覆いたくなってしまいます。

一人、また一人、会社をやめていく…給料は振り込まれない…いったい自分の人生の行く末にはまったく何があるのだろうか…


そのような経験を経て、成功を手に入れたのですから、それはやはり、
「今の自分があるのは、あの頃の自分があったからだ」と思わざるを得ないのかもしれません。


ここで私たちが忘れてはいけないのは、

「今の自分があるのは、あの頃の自分があったからだ」

というセリフは常に成功者が上から語るときに使われる言葉だということです。


世の中に存在する限りなく100%に近い人間は「あの頃の自分」に毛が生えたような、人生で一生を終えます。


そう、「今の自分があるのは、あの頃の自分があったからだ」というフレーズは、そうした「あの頃の自分」から永遠に抜け出せない、人たちへの一つのレクイエムなわけです。今の人生を納得させてゾンビのような人生を歩ませるための。だから、この言葉を間に受けて今の自分の人生を肯定しちゃったりなんかするともう人生終わったも同然です。



それに僕は経営者としてそんな言葉を言い始めたら終わりだと思います。

だって、この言葉を言うってことは、今の自分が成功してる、って思ってるんでしょ? もう充分勝ったわーあの時苦労したしなー なんか思ってるんでしょ?


それはおかしいよ。


だって、成功したってことは少なからずそういう才能があったってことでしょ?

だったら苦労してもがいてたあの頃の自分をもっとうまいことやってたら、もっと大成功してたってことじゃん。

超その時間もったいない。何今の自分に満足してるの? 




俺は常に自分の人生を疑える人間でありたい。


自分の人生はどんな時も最低で、もっともっと上がある、だから一瞬も気を抜かないで上を目指し続けなきゃいけない。


「あの頃の自分があったから今の自分がある。だからお前たちも苦労しろ!」


といって1000に1つの成功例を振りかざして、若い人を洗脳し続けて生存していく経営者はゴメンだ。